トヨタ自動車は9日、小型スポーツ車「86」を一部改良し、6月2日に発売すると発表した。2年前に販売してから初の一部改良で、操縦安定性や乗り心地を向上させた。同社によると、走り出した際の質感が上がったという。
今回、既存の86所有者へ配慮する形もあって、外観は変更しなかった。振動や衝撃力を吸収するショックアブソーバーと呼ばれる部品の摩擦特性を見直したことなどで乗り心地を良くした。同日会見した多田哲哉チーフエンジニアは、「一部改良前の86を購入したユーザーも部品を交換すれば同じ乗り心地を楽しめるよう工夫を凝らした」と説明した。例えば、現行モデルの所有者は、合計1000円のボルトを購入して交換するだけでも、剛性が高まり、操縦性能が安定するという。価格は、205万6909~314万7709円と、従来に比べてそれぞれ約1万円値上げした。
トヨタは現在、国内におけるスポーツカー文化の創設を目指し、主に86の所有者向けにイベントを主催する。86ユーザーを集めた日帰り企画や、ファンが選ぶ「ナンバーワン峠」を決めるイベントなどで、今年は北海道の十勝サーキットで1泊2日の走行練習を計画をしている。