【開発物語】マンダム「ルシード デオドラントシリーズ」 (4/6ページ)

2014.3.24 05:00

「ルシードデオドラントシリーズ」にはシャンプーとボディーソープ、スプレー、液状タイプの4種類がある

「ルシードデオドラントシリーズ」にはシャンプーとボディーソープ、スプレー、液状タイプの4種類がある【拡大】

  • 頭部中心に発生するミドル脂臭の抑制にはシャンプーが効果的という
  • ルシードデオドラントシリーズの開発や販売促進を担当するスキンケア製品開発室の清水真由美さん、商品開発部の花井真人さん、基盤技術開発室の志水弘典さん、宣伝販促部の杉本亘さん(左から)
  • 開発メンバーは自らミドル男性の臭いを直接嗅ぎ、原因物質の特定や発生メカニズムの解明にあたった
  • ジアセチルの特定に役立った「におい嗅ぎガスクロマトグラフ質量分析装置」

 ■“体を張って”原因物質の特定に挑む

 ≪TEAM≫

 「ルシード デオドラントシリーズ」は、技術開発センターに属する基礎研究3人、製品開発10人のメンバーが全員、“体を張る”ことで生まれた。

 開発チームがミドル脂臭の分析に使った「ガスクロマトグラフ質量分析装置」は、原因物質を特定する上では大いに役立った。しかし、臭いの発生部位や不快の度合いを詳細に調べ上げるには、機械だけでは限界がある。そこで開発チームのメンバー全員がミドル男性の臭いを直接、嗅ぐことにした。

 臭いがきつい人もサンプルに含める必要があったため、社員を被験者にすれば社内がぎくしゃくしかねない。このため被験者は募集会社を通じて集め、名前や住んでいる場所を伏せた上で嗅がせてもらった。

 臭いの感じ方は人によってばらつきやすく、メンバーの嗅ぎ分ける能力を高いレベルで一致させる必要があった。そこで同社は、工場などの悪臭を測定する臭気判定士の試験にならい、5種類の紙のうち臭いのついた2種類を当てたり、強度に応じて6段階に嗅ぎ分ける訓練を実施した。中には基盤技術開発室の志水さんをはじめ、実際に臭気判定士の資格を持つ人も4人いる。

 それでも被験者が多いこともあり、データの収集やメカニズム解明は困難を極めた。清水真由美・スキンケア製品開発室グループリーダーは「前に整髪剤の開発を担当し、香料を扱っていたのである程度は分かっていたつもりだったが、臭いの世界は複雑だと改めて思った」と振り返る。

 ミドル脂臭の不快さには「決して平気なわけではなかった」が、プロ意識が優先したのか「意外と冷静に対処できた」という。ただ、中には苦痛に感じるメンバーもいたようだ。

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