そこで同社は、人間の頭皮に常在する表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌が、汗に含まれる乳酸を代謝することでジアセチルを発生する仕組みを解明。ジアセチルが皮脂に混ざることで不快な臭いが発生することを突き止めた。さらに、この不快な臭いを効果的に抑制する数種類の成分を見いだし、製品に応用した。
一方、ミドル男性の頭の皮脂はベトベトして落ちにくいため、シャンプー後も不快な臭いがとれにくかった。このため皮脂を効果的に洗い落とす洗浄剤の組み合わせも併せて考案した。
せっかく原因物質を突き止めても、第3の臭いの存在を世間に認知させなければ商品を手にとってもらえない。同社はこのジアセチルによる臭いを「ミドル脂臭」と分かりやすく名づけたほか、俳優の田辺誠一さんと大塚寧々さんの夫婦を21日に放映開始したCMのキャラクターに起用した。
宣伝販促部宣伝課の杉本亘主幹は「ミドル男性の田辺さんだけでなく、大塚さんにも登場してもらうことで、妻からも対策を促すよう狙った」と説明する。
ミドル男性は、働き盛りで得意先を訪問する機会が多いこともあり、身だしなみへの関心が高い。自分の臭いにも敏感で、デオドラント商品を最も使っているのがこの世代だという。
「44歳の自分も含め、40代は人生も仕事も一番充実している時期なのに、臭いといわれるのは忍びない。仕事、家庭で自信をもって生活できる手助けとなる製品ができた」。志水さんはそう胸を張る。
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