東宝の基本方針に2月以降、松竹とグループのシネコン「MOVIX」、東映の直営館やグループのシネコン「ティ・ジョイ」が追随した。
一方、旧ワーナー・マイカルを引き継いだシネコン最大手の「イオンシネマ」は、基本的枠組みは他社と同じだが、割引設定を一部見直した。60歳以上1000円だったシニア割引を55歳以上1100円に、週1回の女性1000円を毎週月曜日に男女問わず1100円に見直した。「料金を上げる一方で、割引対象者が限られていて残念という指摘に応えた」(広報担当)
映画館の入場者のうち、基本料金で鑑賞しているのは半分以下で、過半数が前売り券や各種割引料金を活用している。増税に伴う今回の割引料金の値上げは、この特殊な構造を逆手に取ったともいえる。一方で、東宝が昨年、先鞭(せんべん)をつけた高校生料金の1000円への値下げなど市場ニーズに応えた見直しも進んでいる。