2014.3.13 06:26
春闘の回答状況をボードに書き込む金属労協の担当者=12日午後、東京都中央区【拡大】
「非協力的」に反発も
経営再建中のシャープやパイオニアの労組が統一闘争から離脱する中、日立や三菱電機など業績好調の総合電機がベアに前向きだった一方、構造改革中の富士通やNECなどは高額回答に消極的だった。大手の幹部は「足並みをそろえるにしても1500円が限度」と漏らした。それでも「日本経済がいい方向に行くよう貢献したい」(日立の御手洗尚樹執行役常務)との思いが高額妥結の原動力となった。
製造業の賃上げは非製造業にも波及。「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは12日、一律1万円のベアを含む計1万7008円の賃上げを発表した。
ただ、経営側からは「賃上げは企業活動で決まるもの」(電機大手首脳)、「政府に非協力的と言われるのは筋違い」(自動車大手幹部)と、安倍政権の姿勢に反発する声も聞かれる。
来年以降も賃上げの流れを持続させるという難しい宿題を背負った日本企業は、ベア実施に伴う「相当高いコスト増」(経営幹部)と向き合い、厳しいグローバル競争に挑む。