マーケティングを徹底した上でのてこ入れ策は、実にきめ細やかなものだ。地元の主婦層や女性客をつなぎ留めるため、食料品を扱う店舗をテナントではなく、ほぼ直営で運営。百貨店が自ら厳選した商品を展開し、顧客獲得を進める戦略をとった。
京阪電鉄が「ショッピングモールの完成形」を自負する「くずはモール」では地元客の取り込みに加え、若者に人気のファッションブランドなどの「都心型」店舗を導入。「都心部に行かなくても、満足した買い物ができる場を提供する」(加藤社長)だけでなく、大阪市中心部への流入を“せき止め”、沿線住民の買い物は沿線で完結させるのがねらいだ。
同社はこの改装に相当な自信を見せる。改装後の売り上げ目標は、改装前の330億円から実に170億円も上乗せし、500億円に引き上げた。