以降、88年のカルガリーとソウル、92年のアルベールビルとバルセロナ…と、冬季・夏季あわせて5回のオリンピックに協賛。いずれも、当時の最新モデルのタイプライターを提供した。
長年同社の五輪プロジェクトに携わってきた野地(のじ)勲・営業企画部長は「ロス五輪が大きな転機になった」と振り返る。五輪開催時には約2カ月間現地に滞在してサービスセンターの運営など、プロジェクトの責任者を務めた。野地部長はいう。
「ロス五輪は米国での『ブラザー』のブランドイメージ向上に絶大な効果を発揮した。米国進出のきっかけになったと同時に、会社としても情報機器メーカーへと変貌する一大転機になった」
売上高・比率とも海外が主流に
同社はその後、世界各国に生産・販売子会社を相次いで設立。海外事業の拡大を軸に、84年度は1872億円だった連結売上高が、昨年度には5161億円に拡大した。中でも情報機器の売上高は、842億円から3508億円へと飛躍的に伸びている。