【国際情勢分析】
今年9月、国際オリンピック委員会(IOC)の第9代会長に就任したトーマス・バッハ氏(59)が11月19日、北京の人民大会堂で中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席(60)と会談し、習主席に五輪オーダー(功労賞)金賞を授与した。バッハ氏は会長就任後、初の外国訪問先に中国を選択。北京市が2022年冬季五輪招致に乗り出した中、中国を重視するIOCの“政治的意図”が気になるところだ。
中国重視の姿勢
中国国営新華社通信などによると、バッハ氏は、来年8月に第2回ユース五輪が開催される、江蘇省南京市の競技施設や準備状況などを視察した後、北京に入った。
会談でバッハ氏は「中国は世界のスポーツ発展に対し、多大な貢献をしている。北京五輪は巨大な成功を収め、世界のために大切な財産を残した」と中国を持ち上げた。その上で、中国を最初の訪問地に選んだ理由を、「IOCが中国との協力強化を希望していることを示すためだ」と説明した。