工場が反日デモの襲撃対象となったことで、中国での“松下の神通力”に疑問符がつき、中国でも社名をパナソニックに統一する動きが加速するかといえば、そうではない。
その理由について、パナソニック幹部は「ただでさえ偽ブランドが横行する中国で『松下』を外せば、模倣品メーカーが本家面して松下を名乗り、商品ブランドが混乱する恐れがある」と説明する。
模倣品の実態
中国での模倣品による企業の被害は深刻だ。中国も世界貿易機関(WTO)に加盟してからは知的所有権の侵害の取り締まりに重い腰を上げ、露骨な模倣品販売は減少している。その一方で、製造業者と印刷業者が別々にノーブランドの製品とラベルを製造し、別の店舗や倉庫で組み合わせて模倣品にするなど手口が巧妙化している。「外観などにより容易に模倣品と識別するのが難しいのが実情」(パナソニック公式ホームページ)という。