「松下電器」中国で看板外さぬ理由 パクリ業者に悩むパナソニック (2/5ページ)

2014.1.20 06:00

巧妙化する模倣品生産の手口

巧妙化する模倣品生産の手口【拡大】

 そもそも、副首相だったトウ小平氏が昭和53年に大阪府茨木市のテレビ工場を訪ね、パナソニック創業者で当時相談役の松下幸之助氏に「中国の近代化を手伝ってくれませんか」と頼んだのがきっかけだ。幸之助氏は「できる限りお手伝いします」と応じた。

 翌54年に北京に駐在員事務所を開設、62年には北京にブラウン管製造の合弁会社を設立するなど日本企業として戦後初めて中国に進出。その後も次々と合弁会社の設立を進め、「世界の工場」と呼ばれる経済大国になることに助力したことで知られる。これらの経緯を知る中国では、松下になじみのある消費者が根強いのだという。

 そのような歴史的な背景もあって、パナソニックは「現地での松下の知名度の高さは無視できない」と判断。社名とブランドを統一した平成20年10月以降も、中国の現地統括会社は英文社名のパナソニック・チャイナと並び、漢字表記社名としては松下電器(中国)有限公司と法人登記した。

「本家面して松下を名乗り、商品ブランドが混乱する恐れがある」

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