曲げられる大画面の次世代ディスプレーを開発・製造する篠田プラズマ(神戸市中央区)が、資金繰りの悪化から事業を停止した。「プラズマテレビの生みの親」として知られる篠田傳会長兼社長が立ち上げたベンチャーだが、研究開発費がかさむ一方、販売不振に苦しんでいた。
奇しくもパナソニックがプラズマ撤退を表明した直後だった。スポンサー企業を探して再建を目指すが、国内外の数社が関心を示しているという。かつて世界に先駆けフルカラーのプラズマテレビを実現した“日の丸技術”はどこに行ってしまうのか-。
カーブアウト
「プラズマを製品にできないのであれば独立させてほしい」
篠田プラズマの誕生は、富士通がディスプレーの製造事業から撤退を平成17年に決断したのがきっかけだった。
篠田氏は富士通研究所フェローなどを歴任し、プラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)などを開発した功労者。事前に意見を求められた際に迷わず独立を決意したという。