経団連の米倉弘昌会長は4日、四国経済連合会との意見交換会後に松山市内のホテルで記者会見し、来春闘に対する経営側のスタンスについて「景気の好循環を実現するため、改善した業績を賃上げに結びつけてほしいという政府の要請を受け、改善すれば報いたいと答えたが、賃上げの中身は労使交渉で決定すべきもので、どのように(労働組合の)要求に応えていくかは各社に任されている」と述べ、定期昇給(定昇)やベースアップ(ベア)への対応は個別企業の判断に委ねられるとの考えを強調した。
経団連の宮原耕治副会長(経営労働政策委員長)も同日、松山市内のホテルで開いた会見で、連合が来春闘で定昇の確保とともに1%以上のベアを要求する方針を決めたことに関し、「ベア(の実施)はこれから2~3年先の展望が見えるのが原則だ。今年1年の業績が良かったからといってベアにはならない」と慎重な見方を示した。
経団連は11月下旬の政労使協議で「企業の業績改善を一歩踏み込んだ形で経済の好循環につなげていく」と賃上げの実施を明文化。来年1月下旬には経営側の春闘指針を経団連が示し、労使交渉が本格化する。