そんな幸之助氏の哲学だが、一部は否定されたことがある。代表例が事業ごとに開発、生産、営業を一元的に管理する「事業部制」だ。幸之助氏が昭和8年に導入。各事業部が競い合い飛躍的に成長した。
だが、半世紀以上の間に100を超える事業部が乱立。商品の重複など無駄が目立つようになったため、平成13年に廃止された。一度は経営を立て直したが、プラズマテレビ向けパネルへの過剰投資などの影響で再度赤字に転落した。
そして今年4月、事業部制は12年ぶりに復活した。2年連続で7500億円超の最終赤字を計上していたが、25年9月中間連結決算では中間期としては過去最高の最終利益を確保。幸之助氏を再評価するきっかけとなっている。
PHP研究所の担当者は「女子会で、幸之助氏の言葉はさまざまな捉え方があることが分かった」と話し、今後も定期的に開催したいという。女子会とパナソニックの回復から新たな「幸之助像」が立ち上がってくるかもしれない。