KFCの直営既存店売上高は昨年10月以降、12カ月連続で前年割れが続く。業界各社の過剰出店やファストフード商品を拡充するコンビニエンスストアとの競争激化が背景にある。
こうした中、吉野家のいちなべ家は「当面は実験店」(広報)との位置付けだが、同社が寄せる期待は小さくない。吉野家の国内店舗数は1200近くを数え、牛丼チェーン大手3社の合計では4000店を超える。既存の業態では新規出店の余地は限られるが、新機軸の店舗は「既存店の商圏に出しても共食いが少ない」(同)からだ。
一方、KFCがマクドナルドなどのハンバーガーチェーンと異なるのは、購入客の7割が店内で飲食はせず、商品を持ち帰る点だった。