パプアニューギニアでは、米石油大手エクソン・モービルが主導するLNGプロジェクトが14年から15年にかけ順次稼働。国民総生産(GDP)を20%押し上げる経済効果がある。三菱商事がカナダのタリスマン・エナジーと共同で探鉱中の鉱区に加え、今年5月に大阪ガスが権益を取得した鉱区も含め、3つのLNGプロジェクトが日本向け輸出を視野に稼働する。
こうした中、同国はLNGの輸出だけでなく、ガスを使った下流産業の育成で雇用機会を創出したいとの要望が高まり、技術と人材育成に優れた日本企業に関心を寄せるようになった。
双日は今年6月、豊富な天然ガスを使った化学品事業の開発をめぐり、同国政府と覚書を交わした。三菱ガス化学と伊藤忠商事も共同で、エタノールやジメチルエーテル(DME)のガス化学事業を計画している。
だが、資源国の両国に中国が急接近している。中国の習近平国家主席は今月上旬、「シルクロード経済ベルト構想」と称して中央アジア4カ国を歴訪。中でもパイプラインがつながるトルクメニスタンとは、20年までにガス輸入量を現在の3倍以上に増やすことで合意した。