事務所開設相次ぐ
日本企業の秘策もうまくいった。この国と民族的な関係が深いトルコの建設会社と組むことで受注に向けての競争力が高まった。
三菱商事は、トルコ財閥のチャルックグループ傘下の建設会社GAPと組み、トルクメニスタン国営化学公社が計画する尿素肥料プラントの受注を目指す。三井造船と双日もトルコの建設会社と組み、肥料原料の硫酸を生産する化学プラントの受注に向けた合意文書に署名することができた。
同国は1991年10月にソ連から独立したが、初代大統領ニヤゾフ氏の独裁による鎖国時代が長く日本企業の関心は薄かった。それが2007年2月に就任した現大統領は開放路線に切り替えた上、09年の訪日で日本の高い技術力を支持してから商機が増えた。
大手商社やプラント各社の現地事務所開設も相次ぎ、8月には友好議員連盟が発足、かつてないブームになっている。
インフラ輸出と資源獲得の両立に意欲を見せているのはトルクメニスタンに限らない。天然ガスや銅などの資源に恵まれるパプアニューギニアでも日本企業の存在感が高まっている。