2020年の夏季五輪の開催都市が東京に決まったことを受けて、欧米やアジアなど世界各国から、東京開催への祝意と成功を祈るエールが寄せられている。その一方で、五輪開催地の決定直前に、韓国は、原発事故があった福島周辺の水産物の輸入禁止を唐突に発表し、中国は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域で日本の領海侵犯を繰り返した。東京五輪決定は最も不快なニュースだったようで、ボイコット論も出ている。
海がないのに
李明博(イミョンバク)大統領(当時)が昨年8月、竹島(島根県隠岐の島町)に上陸したことで、日本との関係が冷え込んだ韓国では20年五輪開催地の決定を控えて、米国のオンライン請願サイトで、東京五輪の開催を阻止する署名運動が開始されたことを紹介する書き込みが立ち上げられた。
書き込みの反応には、第二次大戦中の日本の戦争責任を問う声が多く寄せられている。一方、東京電力福島第1原発事故を受けて「放射能に汚染されているところで五輪なんて」「五輪選手を被曝(ひばく)者にするつもりか」など、根拠のない思い込みの発言もあった。