ただ、製品ごとに開発・生産・営業を一元管理する「事業部制」の復活、自動車と住宅関連事業を30年に売上高2兆円規模に引き上げる-という津賀社長が打ち出した成長戦略についてはほとんど批判を浴びなかった。
津賀社長にとっては初の株主総会。関西のある機械メーカー幹部は「パナソニックは、社長肝いりの戦略が株主総会で集中砲火を浴びるのを恐れていた」と分析していたほどだ。
その意味では、「不幸中の幸い」とするパナソニック関係者は多かった。
株主は、成長戦略に興味なし?!
しかし一方で、「これで良かったのか」と心配する関係者も。
成長戦略が批判の的にならなかったのは、株主が戦略に理解を示したのではなく、「関心を抱かなかっただけ」という恐れもあるからだ。
同社OBの一人は「戦略が、株主に理解されていない」と危機感をあらわにする。