大阪市内で26日に開催されたパナソニックの株主総会。株主からは2期連続となる7000億円超の巨額赤字に批判が集中したが、津賀一宏社長が進める成長戦略への異議はほとんど聞かれなかった。
関係者は一様に胸をなで下ろすが、パナソニックの将来像が市場に伝わっておらず、“突っ込みどころ”が見当たらなかったのが真相のようだ。「社長肝いりの成長戦略がうまくアピールできていない」(アナリスト)ことを浮き彫りにした株主総会でもあった。
「予想より穏やかだった」
「思ったよりも、穏やかな株主総会だった」。終了後、ある社員は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
総会では、株主から巨額赤字に対する批判が殺到。とくに、1年前の総会でV字回復を宣言したにもかかわらず、わずか約4カ月後の10月に平成25年3月期の業績予想を下方修正した“失態”を舌鋒(ぜっぽう)鋭く責める質問が目立った。