その甲斐あって商品企画から声がかかり、マーケティング統括部に異動。一眼レフをすべて担当する同分野のプロ中のプロだ。
マシン開発を進めたのが、開発統括部の田口一郎マネジャー。フィルムカメラや小型デジカメの開発に携わった後、研究開発の部署に異動し「3年くらい基礎研究を遊びながら学んだ」。2008年頃から一眼レフの開発を担当。当初は「やったことなかったので戸惑った」というが、今ではレンズ交換式カメラの開発の方が多い。
ソフト分野担当の開発統括部第1開発部の前田博和マネジャーは、小型デジカメ、一眼レフの開発を経験した。
社内で多様な経験をしたメンバーがそろって、Q10は世に送り出された。
ただ、メンバーはQ10の成功に慢心せず、すでに次の目標に向け動き出している。前田さんは「社内のカメラ好きも驚く、ほかにマネできない商品を開発してみたい」と目を輝かせる。
若代さんも「万人受けはしないが、マニアの方が喜ぶ商品を開発したい」と話し、田口さんも「既成概念にとらわれない新しいコンセプトのカメラを再び出したい」という。いずれも目指すのは斬新なカメラを開発することだ。