もっとも、リコーは、特徴あるデジカメ開発に理解を示した。また半導体も時代の流れの中で進化。さらにカメラに小型化を求めるニーズの高まりなどで開発に向けた土壌は整った。
Q10は11年秋から本格開発に着手。前機種「Q」のバージョンアップに1年かけて取り組み、Qにはなかったカラーバリエーションや、写真の色合いを鮮明にできる画像処理機能をダイヤル1つで呼び出せる機能なども追加。満を持して投入した。Q10について、リコーの近藤史朗社長も「使いやすく特徴がある」と太鼓判を押す。
ペンタックスリコーが目指すのは、Q10を「入り口」にカメラに関心を持つユーザーを増やすこと。「Q10をいつも持ち歩いて撮影になじんでもらい、さらに本気で撮りたい時は本格的な一眼レフも併用してもらいたい」(若代さん)と話す。
Q10で同社ブランドに愛着を持ってもらい、さらに上級機種の一眼レフの購入の際にペンタックスリコーの「Kシリーズ」を選んでもらうというのが究極の目標だ。