ペンタックスリコーの13年3月期の営業損益は前期の赤字からゼロに改善する見通し。Q10でつけた勢いを、一段の業績回復につなげられるかが次の課題。「他社がやっていないユニークな商品作りをまたやりたい」。若代さんらは、ヒットにおごらず、Q10に続く新商品開発を早くも本格化。忙しく仕事に追われる毎日だ。
コンセプト明確 1年足らずで完成
≪TEAM≫
通常、デジタルカメラの開発は1年半程度必要だが、「Q10」は1年足らずで完成させた。コンセプトが明確で、迷いなく開発したからという。
「ミラーレスで、どこよりも小さいカメラを開発する」という命題に取り組んだ開発陣。社内でまったく異なる経歴を歩んだメンバーの“化学反応”で、Q10をヒット商品に押し上げた。
開発のとりまとめ役を務めたマーケティング統括部の若代滋マネジャーは入社後、画像処理技術やソフトウエアのプログラマーを務めた。やがて、商品企画に対する情熱にとりつかれ、自分で考えた新しいカメラのアイデアを社内で提案し続けた。