一方で、これまでメーカー主導だった商品開発において消費者により近い流通の力が強まっているとし、「次にビールメーカー1社がPBビールに参入すれば業界が一気に動く」と指摘する。
大手スーパーを中心に流通では長引く不況や将来の消費増税を見据え、商品の大規模値下げを相次いで打ち出している。ビール類でもPBを台風の目とした価格競争が起こりかねない。
サッポロはイオンと共同開発した第3のビールも手がけているが、11月末に商品を入れ替えた際、価格を1缶(350ミリリットル)約110円から100円に事実上値下げした。低価格の波はじわりと押し寄せている。
メーカーにとってPBは確実な販売網を得られる上、販促コストもかからない。だが、NB商品が価格競争に巻き込まれれば収益基盤が揺るぎかねない。(金谷かおり)