ただ、アサヒビールやキリンビールは看板商品であるビールのPBには否定的で、セブンプレミアムのロゴが入らない専用商品にとどまってきた。「ようやくできた」。会見後、鎌田氏は満足そうな表情で会場を後にした。
4位転落で危機感
昨年春、都内にあるサッポロ本社。社内ではセブン&アイHDから持ち込まれたPBビールの提案を受けるか受けないか、白熱した議論が交わされた。
PBビールを手がけることで「サッポロブランドを毀損(きそん)しかねない」「(厳しい環境下なので)新しいことに挑戦すべきだ」などと平行線が続いた。ゴーサインが出たのは年明けで、寺坂史明社長をはじめとする経営幹部らで「やろう」と決断した。営業本部の岩崎智史営業企画部長は「時代の変化をみて、開拓者精神で挑戦しようと決めた」と話す。
踏み切った背景には、市場縮小とそのなかでのシェア低下という“二重苦”がある。