帝人は、GMが2015年以降にも量販車への部材や部品として採用を検討していることから、15年までに今回の新製法を使った年5000トン規模の量産工場を北米で建設することも検討中だ。
最大手の東レは昨年、独ダイムラーと炭素繊維複合材料の合弁会社を設立。今年4月に発売されたメルセデス・ベンツの高級車「SLクラス」向けに部品供給を始めた。東レは航空機用では米ボーイングの最新鋭旅客機「787」向けに炭素繊維複合材料を供給。自動車用の需要拡大や、世界シェアの8割を持つガスタンク用でも高圧のシェールガスタンク向けの供給拡大などを見込み、「2020年度には(炭素繊維事業の)売上高を(11年度比4.3倍の)3000億円にしたい」(日覚昭広社長)と意気込む。
ネックはコスト高
一方、三菱レイヨンも昨年、独BMWグループと合弁会社を設立。今年6月からBMWの電気自動車「i3」向けに炭素繊維材料の供給を始めた。