ホンダ収益強化 二輪販売、大型専売と小型車の2系統に集約

 

 ホンダは6日、国内の二輪車販売網のうち、趣味性の高い大型車を含む全車種を扱う販売店を専売の「ドリーム」店に集約し、2018年4月から順次切り替えると発表した。排気量250cc以下の小型車を中心とする販売網は「コミューター」店に統一し、通勤・通学用など幅広い購入層向けの窓口を確保する。小型車を中心に国内市場が縮小する中、ホンダや川崎重工業などは収益の高い大型車の販売網を強化して生き残りを目指す。

 ホンダは現在、全車種を扱うドリームや「プロス ウイング」「プロス」、250cc以下を売る「ウイング」「ホンダ」の計5系統5500店を展開する。プロス店は他メーカーとの併売だが、18年4月から大型車は専売のドリームのみに集約。認証工場の取得などを条件として、高度な整備技術やサービスを求めるファン層の拡大を図る。

 ドリームは大型車も売る既存店を中心に公募して当初は約150店を計画し、20年に200店の態勢を確保する。

 一方、250cc以下のコミューター店は併売も含めて約5350店を維持する。市場の約5割を占める50cc以下の原付きスクーターなどを中心に展開する。

 国内メーカーでは川崎重工業の二輪車販売子会社、カワサキモータースジャパンが昨年、専売の「プラザ」店を全国6店から19年度中に120店に拡大する方針を発表。併売店は400cc以下の車種に限って差別化する。大型車も売るプラザ店は車検ができる指定整備工場を取得するほか、内外装を統一し、ライダー用ファッションも展示する。寺西猛社長は「ブランドの広告塔として専売店でカワサキ車の価値を丁寧に伝えたい」と話す。

 日本自動車工業会によると、国内の二輪車販売は1982年に326万9872台の過去最多を記録したが、昨年は37万2891台と約9割減少。なかでも原付きスクーターなど小型車は、「電動自転車や軽自動車への移行で大きく減っている」(ホンダ)。

 251cc以上の大型車は6万2908台と台数は少ないが、収益性は高い。ただ、大型車市場は独BMWなど輸入車の人気が高い。日本自動車輸入組合によると、昨年の輸入二輪車の販売は2万2204台で、大半が大型車とみられる。

 専売店を中心にブランドを確立する輸入車メーカーに対し、国内各社も専売店網を強化することで大型車市場での巻き返しを図る。