AIで住宅ローン審査短縮 ソニー銀検討 顧客データ解析

 

 ソニー銀行が、人工知能(AI)の活用による住宅ローン審査の短縮を検討していることが分かった。顧客のデータをAIで解析し、審査スピードを上げる。

 持ち株会社のソニーフィナンシャルホールディングス社長に就任した石井茂氏がインタビューで明らかにした。

 住宅ローンは、日銀のマイナス金利政策導入後の金利低下により、借り換えを中心に申し込みが増えている。審査期間の短縮で、顧客層の拡大につなげたい考えだ。

 ITを活用した先進的な金融サービス「フィンテック」は欧米の金融機関やベンチャー企業が先行してきた。最近、国内の金融機関も遅れを取り戻そうと取り組みを強化している。

 住宅ローンの審査では、顧客の年収や資産、勤務先、他の借り入れ状況などから融資の可否などを決める。

 ソニー銀行は現在、仮審査に2~6日間、本審査には7~10日間程度かかる。AIは、これまでの融資や返済の情報なども総合して判断するほか、自らも学習して審査の精度を高めるという。

 グループの柱である生命保険事業では、契約者の健康状態や運動状況に応じて保険料を変える商品の開発も検討する。ただ、健康状態などは機微な個人情報に当たるとし「どこまで情報の提供を要求できるか、保険業界として考える必要がある」とも述べた。