簡単に自己破産しない“おいしい融資先”
東京の都心部でサラリーマンや公務員向けの一部セミナーについて指摘した前回記事(「要注意!『頭金ゼロで大家さん』のカラクリ」http://president.jp/articles/-/17882)については、筆者の元にも問い合わせが寄せられた。今年1月の日本銀行のマイナス金利政策導入以降、特に一部地銀において、こうした無理やり融資先を作ろうとする動きは加速している。
そうした手法にも、2つのタイプが存在する。まず1つ目は、セミナーで公務員や大手企業のサラリーマンなどのみを対象にしているタイプだ。この場合、購入されるのはおおよそ1~2億円程度の地方の一棟マンションが多い。購入後、見せかけの短期賃借人は半年後にいなくなり、以後、賃料収入は想定よりずっと少額だ。さらに維持コストが馬鹿にならない。投資の失敗に気づき、大赤字の末に物件を泣く泣く売却する羽目に陥る。
さすがに価値ゼロとはならず、おおよそ半額程度で売却するケースが多い。損害は1~2億の半額程度、おおよそ5000万円から1億円程度となる。
この際、購入者は前回記事通り30年ローンなど長期のローンを組んでいるため、毎月の返済額は小さい。公務員や大手企業のサラリーマンの場合は、ボーナス払いも入れて頑張れば払えない金額ではなくなる。