海外情報に精通し“想定外”なくせ
言い伝えに「いつまでもあると思うな親と金。ないと思うな運と災難」「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」というのがありますが、まさに名言です。人も企業も国家も「危機管理」には最大の配慮が欠かせません。なのに、テロ事件や大事故、天災が起きた際、“想定外”という言葉をよく耳目にします。この他責的な表現に接するたびに、私は一抹の疑念を禁じざるをえません。
危機管理で求められるのはインテリジェンス(情報)です。情報確度を上げるには、自前の常識や限られた体験を否定できる“不常識・非体験観”が極めて重要ですが、これを日本人は苦手にしています。本稿では「情報」の何たるかを論じたいと思います。
グローバル時代にあって避けて通れないのが「海外情報」でしょう。今、世界各国を大別すると、(1)低賃金労働力をバネに製造業中心で“量”を追求する「Mタイプ国家群」(2)資源立国の「Rタイプ国家群」(3)比較的小国でありながら、高付加価値を生む技術、金融業などで質を求める「Vタイプ国家群」(5)高度総合力を持つ“MV兼備”の日米独などの「先進大国群」-に分けられると思います。