2014.7.12 07:06
主要国の技術開発力【拡大】
東京大学では優良技術が海外に流出する例も出た。軍事用ロボットに転用されかねないとして東大で研究できなかった研究者がベンチャー企業を設立。被災した原子力発電所などでの作業も行えるロボットの開発にこぎ着けた。しかし同社は昨年11月、米グーグルに買収された。このロボットは1カ月後、DARPA主催のロボットコンテストで優勝。技術の高さを証明した。
技本の幹部は「私立大学は経営が厳しくなっていることもあって、防衛省からの研究要請に協力的だが、東大は防衛関連の研究だけでなく、防衛省職員の研修も拒否する。その一方、中国軍関係者の留学は受け入れている」と、いらだちを募らせている。
自民党国防部会は、国家安全保障会議(NSC)でこの問題への対策を協議するよう要請。政府関係者によると、NSCメンバーではない下村博文文科相が参加した会合で、NSCとして大学に協力を求めることで合意した。同部会の左藤章会長は「東大などが持つロケット開発技術などは防衛分野だけでなく宇宙産業にも直結する」と期待を示した。