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【軍事情勢】中国を贔屓し日本を孤立させる“新世界秩序” (1/5ページ)

2014.6.29 08:02

 中国の李克強首相(58)訪英(6月)を報じた英ガーディアン紙の表現は衝撃的であった。2兆4000億円超の成約を揶揄する《李氏は新たな属国に気前よく金品を与える植民地総督》との件ではない。李氏が《新たな世界秩序に歓喜》という前段である。英国政府は李氏滞在中、自由を求める人民を大虐殺して25周年を迎えた《天安門事件》を封印した。欧州は中国の暴力や侵略行為に目をつぶり、富の提供を受ける不正義に罪悪感を逓減させている。日本も中国経済なしに自国経済を語れないが、近隣で、安全保障・歴史問題を抱え、ユーラシア大陸東端=極東の危機に関心の薄い現代欧州とは温度差が大きい。

 ところが、海洋航行の自由が国是と言って差し支えない米国の対中姿勢までぐらついている。現状が進行すれば、富と引き換えに中国の武威・暴力を黙認する《新たな世界秩序》が日本の頭越しに完成してしまう。わが国が集団的自衛権行使や集団安全保障参加を制限するのなら、欧米との価値観の隔絶は広がり《新たな世界秩序》は中華圏の様相を濃くしていく。日英同盟を結びながら、第一次世界大戦(1914~18年)で積極的に欧州派兵しなかった大日本帝國の錯誤と、その後欧米列強が強める反日姿勢とは無縁ではない。

英米も日本の利権を認めており、完全な裏切りだった

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