2014.4.27 07:36
中国軍は日本や東南アジアの国々に「挑発」を繰り返すが、極希に「挑発される」。対艦弾道ミサイル(ASBM)の「発射実験」の写真を公開した1月12日は、その類いだったかもしれない。発射の信憑性や詳細は不明だが、公開した日付が興味深い。米誌ザ・ナショナル・インタレストに正月早々掲載された、米海軍大学のアンドリュー・エリクソン准教授の論文《近海における中国の挑戦》に触発されたとしか思えないのだ。
ASBMの「発射実験」公開
エリクソン氏によると中国軍のASBM・東風21D(DF-21D)は《初期の実戦が可能で少数が既配備》。尖閣諸島(沖縄県石垣市)や台湾、朝鮮半島での有事を想定し、米空母打撃群を自国や作戦海空域に寄せ付けぬよう《抑止力強化を狙い》性能を限定的に見せ始めた。
その一方で《初期生産と配備、実戦レベルに十分達したかを誇示するには、精緻なプログラムに基づく洋上への飛翔など各種実験をしなければならないが、失敗を恐れ未だに実施していない》と“注文”を付けていた。