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世界で活躍する日本の力 仲宗根梨乃
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東京国際フォーラムでの舞台「*ASTERISK(アスタリスク)」でダンスを披露する仲宗根梨乃(なかそね・りの)さん=2014年5月11日、東京都千代田区(田中幸美撮影)
数々の世界的なトップアーティストとの競演や、振り付け、演出家として近年、世間を騒がせている仲宗根梨乃氏。エンターテインメントにおける類いまれなる技術と、形にとらわれない斬新さはいかにして育まれたのか。インタビューを通じ、その一端に触れてみた。
――ご自身の略歴をお願いします
「19歳で渡米し、ダンサー、振付師としてプロモーション・ビデオ、アワード賞、ツアー、CM、映画などに出演しました。2007年からK-POPの振り付けを始めたのを機にアメリカのみならずアジアを中心に活動し、現在は演出や舞台、雑誌、番組出演などの活動をしています」
――ダンスを始めたきっかけは?
「子供の頃から音楽がかかると、いつでもどこでも自然に踊っていたようです。その時々に好きだったアーティストをまねて家で練習したり、学芸会やダンスイベントに友達を集めて出たり、自己流で踊っていました。アメリカに渡り、ダンスを本格的に学ぼうといろんなスタジオでクラスを受けるようになりました」
――アメリカに渡ろうと決意した理由は?
「中学2年生の時にマイケル・ジャクソンのコンサートに行き、ものすごく衝撃を受け、彼の住んでいるアメリカに行ってエンターテインメントを学びたい、とその瞬間に決心しました。そこから自分の英語に対する姿勢も変わり、一気に成績も上がり、“やる気”とはすごいなと思いました。英語ができることでいろんな国の人々と交流が持てるので、本当に勉強しててよかったです」
――アーティストとして生計を立てるに至った経緯は?
「在学中にさまざまなオーディションを受け、卒業後、ダンサーとしての活動が始まりました。クラスも教えていたので、振付師としての活動も始まっていました。アメリカで仕事をするには就労ビザが必要で、O-1ビザ(アーティストビザ)に切り替えるときは、ちょうどアメリカも9・11直後でいろいろと変化のあった時期だったので、申請が大変でした。そんな中、私のビザ申請を助けてくれたのは、当時オーディションを受けていたジャネット・ジャクソンでした。彼女には今でも本当に感謝しています。現在はグリーンカードですが、まさか自分がアメリカに渡り、韓国で振り付けのお仕事をするようになり、日本に戻ってきて活動するなんて、夢にも思っていなかったです。人生は何があるのかわからない! サプライズがあって面白いですね」
――今後チャレンジしていきたいことは何ですか?
「ダンスを生かしながら、エンターテインメントの分野でいろいろと活動をしたいです。常に新しいことに挑戦するのが好きなので、チャンスがあれば演技や音楽、演出、プロデュース、育成などもしていきたいです。また体が資本なので、ピラティス、食べ物、ファッションや下着などにも意識を向け、体の中から環境を整えていきたいです。それぞれの分野のプロの方ともコラボレーションしてみたいです。そして自分のコラムや、これまで経験した出来事、思考をまとめた自作本も書きたいです。やりたいことはたくさんで、これからという感じですね」
――芸術家を目指す次世代の若者にアドバイスをお願いします
「なによりも自分の声を信じ、自分を信じることです」(ライター 吉田悠紀/撮影:田中幸美(さちみ)/SANKEI EXPRESS)