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【マレーシア機撃墜】米「親露派が誤射」、遺体はオランダへ移送

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【マレーシア機撃墜】米「親露派が誤射」、遺体はオランダへ移送

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マレーシア機撃墜の状況=2014年7月17日午後5時15分ごろ、ウクライナ・ドネツク州グラボボ村。※日時は現地時間  米情報当局は7月22日、ウクライナ東部でのマレーシア航空機の撃墜に関する分析を米メディアに公表した。親ロシア派武装勢力がロシア製の地対空ミサイル、ブク(SA11)で誤射した可能性が高いとする一方、ロシアの関与を示す直接的な証拠を得ていないことを明らかにした。AP通信などが一斉に報じた。

 米情報当局の高官は22日、傍受した通信や衛星写真などの情報を基に、事件後もロシアが親露派に武器供与や訓練を提供し続けていると明らかにし、ロシアが撃墜事件の「環境をつくった」としている。

 ロシア国防省は21日、衛星写真を基に事件へのウクライナ軍の関与を強調。米情報当局が分析結果を公表したのはロシア側に反論する狙いがあるとみられる。

 一方、犠牲者の遺体を乗せた航空機の第一便が23日、ウクライナ東部ハリコフからオランダに向かった。最も犠牲者数が多かったオランダは全遺体の身元特定作業を行う。

 オランダは23日を国民服喪の日とし、遺族のほかルッテ首相やウィレム・アレクサンダー国王夫妻が遺体を出迎える。

 一方、ハリコフで犠牲者の遺体を調べたオランダの警察専門家は22日、犠牲者298人の遺体のうち、列車に積み込まれたのは約200体との情報があると指摘した。ウクライナ政府は現場で282人の遺体を収容し、遺体の捜索活動は終えたと発表していた。(ワシントン 加納宏幸、ハリコフ 佐々木正明/SANKEI EXPRESS

 ≪機体下でミサイル爆発 空中で四散≫

 大型旅客機の下でミサイルが爆発、機体は空中で四散した。298人の命を一瞬で奪った7月17日のマレーシア航空17便、ボーイング777機の撃墜から24日で1週間。その時、上空や地上で何が起きたのか。取材や報道を基に再現した。

 夏休み、帰省、国際学会-。さまざまな目的の乗客283人と乗員15人を乗せてオランダ・アムステルダムからマレーシアのクアラルンプールを目指した機体は、離陸から約4時間後の午後5時(日本時間午後11時)ごろウクライナ東部に差しかかっていた。政権部隊と親ロシア派武装組織が4月以降、戦闘を続けている地域だ。

 政府軍機撃ち落とす

 親露派は政権側軍用機へのミサイル攻撃を繰り返し、既に10機以上を撃ち落としていた。(7月)14日には高度6000メートル超を飛行中のウクライナ軍輸送機アントノフ26も撃墜。ウクライナ航空当局は(7月)14日、ウクライナ空域で民間機に約9800メートル以下を飛ばないよう要請。マレーシア機は1万メートル超を飛んでいた。

 緩やかに起伏する大地の片隅で、レーダー車両を従えた移動式ミサイルシステム、ブク地対空ミサイルが上空をにらんでいた。現場はロシア国境から20キロ弱。欧米やウクライナは、ロシアからブクを得た親露派組織が操作していたとみる。

 高度2万メートルの弾道ミサイルさえ迎撃できるブクが大型の旅客機を追尾するのは容易だ。17便の機影は現地時間の午後5時15分(日本時間午後11時15分)、レーダーから消えた。専門家の分析では、ミサイルはマレーシア機の前方斜め下で爆発。ロシア国境に近いウクライナ東部ドネツク州グラボボ村の草原に墜落し、地面に激突すると火の玉状に。黒煙がみるみる立ち上った。

 「破片が降ってきた」

 「片翼はなく、きりもみ状態で落下した」「黒い破片が雨のように降ってきた」。目撃者はこう振り返る。機体の破片や遺体は約15キロ四方に飛散。機体主要部は集落から数十メートルの地点に墜落。乗客の旅行ガイド本やみやげ、子供のおもちゃも大地に投げ出された。

 ウクライナ保安局が電話盗聴記録として公表した録音によると、撃墜から20分後、親露派武装組織指揮官がロシア軍情報将校に「われわれは飛行機を撃墜した。機体捜索と写真撮影に向かっている」と報告した。

 その直後の別の「盗聴記録」では、親露派組織メンバー同士が「飛行機は空中でばらばらに破壊された。民間機なのはほぼ100パーセント確実だ」などと会話。誤爆の可能性が浮上した。

 午後5時58分、ロシアのインタファクス通信が航空関係筋の話として「マレーシア機墜落」を至急電で伝えた。(共同/SANKEI EXPRESS

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