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外資で一攫千金 韓国の夢

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外資で一攫千金 韓国の夢

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 国内のギャンブル市場に外資の参入を厳しく規制している韓国で、外資による初の外国人専用カジノが開業することが19日までに分かった。米ラスベガスに本拠を持つカジノホテルチェーン「シーザーズ・エンターテインメント」とインドネシアの華僑系財閥「リッポーグループ」が設立した合弁会社「LOCZコリア」が7440億ウォン(約707億円)を投じ、2018年、仁川国際空港の近くにカジノ中心の大規模複合リゾート施設を開業させる。

 ■予備審査を認可

 ロイター通信や韓国の聯合ニュース英語版などが18日に報じた。韓国政府の文化体育観光省がこの日、LOCZコリアに対するカジノ事業の予備審査を認可した。昨年6月の最初の事前審査で不適格だったが、その原因だった信用格付けの改善や事業投資の増額で乗り切った。

 計画では、韓国江原道の平昌で冬季五輪が行われる18年にカジノや豪華なホテル2棟などが完成する予定。23年までに巨大ショッピングモールなども建設する。施設全体の総事業費は約2兆3000億ウォン。

 18年開業のカジノは床面積約7700平方メートルと韓国最大。18年までの工事期間中だけで約8000人の雇用効果があり、20年には8900億ウォンの観光収入が期待される。

 ■入場・売上高、大幅増

 マレーシアの大手金融系調査会社CIMBによると、韓国の03年のカジノ収益は総額27億ドル(約2700億円)でフィリピンとほぼ同じだが、シンガポールの64億ドルや香港・マカオの450億ドルと比べると少ない。

 それでも現在、国内資本が運営する外国人専用カジノは3月現在、16カ所あり、昨年の総入場者数は前年比13.6%増の270万7000人、売上高は9.7%増の1兆3750億ウォンと大きく増加。その多くが中国人の富裕層という。

 そこで、年間利用客数約3500万人という仁川国際空港のそばに外資による本格的な大規模カジノを開業し、彼らを中心とした海外のカジノ好きの富裕層や旅行者を呼び込む策に出た。

 「シーザーズ・エンターテインメント」は、ハリウッド映画映画「オーシャンズ11」の舞台となったラスベガスの「フラミンゴ ラスベガス」や「シーザーズ・パレス」といった世界に名だたるカジノホテルを運営している。

 ■誘致積極化する各国

 一方で、韓国政府は国民のカジノ利用を厳しく制限しており、17カ所のうち韓国人の利用を認めているのは、首都ソウルから東に約200キロの都心から隔絶された場所にある江(カン)原(ウォン)ランドカジノだけ。

 そのため、韓国国内には、外資は将来的には韓国人の利用を見込んでいるのでは、との批判的な見方もあり、外資への市場開放には慎重論も。文化体育観光省の観光部門責任者、キム・キホン氏は聯合ニュースに「(外資参入の容易化は)社会的合意や法律の改正が必要だ」と明言した。

 とはいえ、アジア各国はマカオの大成功を見習えとばかり、カジノの誘致を積極化。韓国でも日本のユニバーサル・エンターテインメントなど外資4社が参入を計画している。外国人観光客を呼び込み、外貨獲得とともに内需型のサービス産業を盛り上げて、輸出依存体質から脱却したい韓国政府の考えだ。

 前出のキム氏は「われわれはより多くの外資カジノを許可できる」とも語り、誘致に対する積極的姿勢を隠さなかった。

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