衆院予算委員会は（５月）２８日に、安倍晋三首相（５９）が出席して集団的自衛権に関する集中審議を開催する。首相が（５月）１５日に集団的自衛権の行使容認へ向けた憲法解釈変更の基本的方向性を示してから初の本格的な国会論戦となる。首相は（５月）２９日の参院外交防衛委員会にも出席する予定。解釈変更の正当性などをめぐり野党は厳しく首相を追及する構えだ。

　（５月）３０日の衆院外務委員会と、６月２日の衆院外務・安全保障両委員会連合審査会でも集団的自衛権をテーマに質疑する。首相は出席せず、岸田文雄外相（５６）らが答弁に立つ。

　（６月）１１日には民主党の海江田万里（かいえだ・ばんり）代表（６５）ら野党党首が首相と一対一で対決する党首討論を開催。集団的自衛権問題や環太平洋戦略的経済連携協定（ＴＰＰ）交渉が取り上げられるとみられる。海江田氏の追及が甘ければ、民主党内で「海江田降ろし」の動きが活発化しそうだ。

　政府が今国会に新規提出した法案８１本のうち、５月２３日までに４４本が成立。残る３７本に関し政府、与党は労働者派遣法改正案など数本を除いて成立させる方針だ。

　教育委員会制度改革を盛り込んだ地方教育行政法改正案や、憲法改正手続きを確定させる国民投票法改正案など政府が「重要」と位置付ける法案の多くも会期末までに成立するめどが立った。

　ただ、厚生労働省が書類作成ミスを起こした地域医療・介護総合確保推進法案は、参院本会議での審議が中断したまま再開の見通しが立っていない。野党は厚労省から詳しい説明がないとして態度を硬化させており、他の法案審議にも影響する可能性がある。（ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　【主な国会日程】

５月２８日　衆院予算委員会で集中審議★

５月２９日　参院外交防衛委で集中審議★

５月３０日　衆院外務委で質疑

６月２日　　衆院外務・安全保障委が連合審査会★

６月１１日　党首討論

６月２２日　通常国会会期末

　※★は首相出席。各委員会は集団的自衛権がテーマ