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苦しんで生み出した思い出の曲 EXILE ATSUSHIさんインタビュー
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「愛を込めて歌った曲から、愛を感じてもらえたら」と語るEXILE_ATSUSHIさん=2014年3月3日、東京都目黒区(三尾郁恵撮影) EXILE ATSUSHIが、ソロ活動の集大成といえる2ndアルバム『Music』をリリース(3月12日発売)した。ヒット曲『MELROSE~愛さない約束~』『青い龍』に新曲『MAKE A MIRACLE』など全15曲。ボーナス盤ではかつてのEXILEメンバー、清木場俊介(34)とのコラボも8年ぶりに実現させた。音楽観、結婚観などATSUSHI“33歳のいま”とは…。
歌のうまさでは定評がある。2年ぶりのソロアルバムだが「実は最初のはEXILEのCDにくっついていたので単独で出すのは初めてなんです」。シャイな男は1人でのプロモーション活動を強いられたのか、テレビのバラエティー番組や雑誌などに頻繁にメディア露出したところ…。
「いまやすっかりバラエティーに目覚めましてねぇ、へへへ…。元来、恥ずかしがり屋だからこそサングラスをかけたりしてたのに、いまはもう楽しくって、楽しくって…」
インタビューでもサングラスを外した瞳をキラキラさせながらグッと目を細めた。楽しさが伝わってくる。プロモーションでは本職の歌披露以外に芸人と絡んでおやじギャグを飛ばす。サングラスを外して変顔を見せたり、食レポも体験、絶妙なトークでホルモン焼きを紹介したという。
「いま僕の中で超マイブーム。世の中にこんなおいしいものがあったのかって。胃の壁、横隔膜、お母さん豚の乳とかの希少部位…。うまいし内臓は奥が深い」。意外な才能を開花させたのである。
肝心のアルバム『Music』のテーマは“愛”。「ちょっと大げさだけど僕が愛を込めて歌い、聴く側が愛を感じてもらえたら…という相互関係が原点にある。僕にはバラードというイメージがありますが、新曲のMAKE A MIRACLEは結構ファンキーに仕上がっているし、童謡も唱歌も入れた」。ナルホド、納得の選曲である。
かつての相棒、清木場との復活コラボもある。「僕の集大成ということで昔の楽曲を歌い直したんですが、どうしても1人で歌うイメージがわかなかった。それで俊ちゃん(清木場)に“一緒に”って」。いまのメンバーの了解を経ての再録は『fallin’』など2曲。ファン垂涎の見事なハーモニーがよみがえった。
ところで…。『愛』といえばリーダーHIRO(44)と女優、上戸彩(うえと・あや、28)との結婚はATSUSHIの心を熱く燃えさせた。
「本当にうらやましいですよ。家族を、守る者を持つってのはこういうことなのかなって…。僕もいままで自分勝手にやってきたので、(守る者が)欲しいなって思います」。ン? 結婚願望? 「ははは…。しばらく予定はないですが、心の準備はできてるんです。もう33歳ですし、相手さえいれば結婚してもいいかなとは思ってます。40歳までには…」。先の話とはいえ、堂々の“結婚宣言”である。
趣味はアンティーク家具の収集。1950~70年代に欧州から米国に流れた古いもので部屋を飾る。「女性と一緒で家具も出会いだと思う。ひと目ぼれして買っちゃう。寝室には古いブルーのペルシャじゅうたんとか敷いてあって落ち着くんです」。後は奥さんの存在だけか!?
もっとも今はEXILEのメンバーとしてソロとして歌一筋を貫く。「他のメンバーは役者をやったりするけど僕は器用じゃあない」と笑ったが、ソロの時間は貴重だった。世界的な盲目のピアニスト、辻井伸行さん(25)との出会い。『それでも、生きてゆく』のレコーディングに“秘話”があった。
「ノドの調子が悪く辻井さんに自由に弾いていただいた音を諦めて、仮で歌った声に合わせて、もう一度弾いてもらった。でも、上がった音源を聴いて本当に申し訳なくて、涙がこぼれたんです。世界的なピアニストが僕に合わせるなんて失礼だと…。辻井さんが自由に演奏されたもので、僕が歌わなきゃって。苦しんで生み出した思い出の曲です」
おごりと自分への怒りと辻井さんへの尊敬の念。一人歩きだからこそ気づかされた。ATSUSHIが一人のアーティストとしてまた大きくなった。(特別記者 清水満/SANKEI EXPRESS)