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熱いぞ! フィリピンの英語学校

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熱いぞ! フィリピンの英語学校

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 フィリピンの英会話学校に日本から熱い視線が注がれている。空路で約4時間の「近くて安い」短期留学やインターネット授業に加え、独自の戦略を打ち出す学校が注目を集める。ネット授業で単位取得を認める日本の大学が出始めた。日本の大学に講師を派遣する動きもある。人気の高まりに英会話学校は乱立気味で競争が激化している。

 パソコンに笑顔

 「今日の日本の天気はどうですか」「体調はいかが」。日本人観光客に人気のセブ市。2009年設立の「QQイングリッシュ」のフィリピン人女性講師約50人がネットを通じたパソコンの画面越しに日本などにいる生徒に笑顔で話し掛ける。ここには短期留学生150人がいるが、国境を越えた1カ月2980円からのネット授業も人気だ。

 共愛学園前橋国際大(前橋市)は昨年(2013年)からQQのネット授業を単位として認めるようになった。英語教育に力を入れる一環で、共愛学園前橋国際大の大森昭生副学長は「実験的な試みだが学生の評価は上々」と継続に意欲を示す。

 業界関係者によると、セブやマニラ首都圏を中心にフィリピンでは韓国系や日系の計約300の英会話学校がひしめく。魅力は公用語で癖が少ない英語の発音だ。

 正社員で競争力

 多くの学校は講師がアルバイトだが、QQは約500人の講師全員が正社員。藤岡頼光社長は「負担は増すが、アルバイトでは講師の質が保てないし競争に勝てない」と強調。既に上海やソウルにも学校を設立、南米への進出も果たした。

 QQの派遣講師が授業を行った明治大法学部。阪井和男教授は「講師を使い捨てにしない姿勢にも共感した」と明かす。

 留学生は日本からが6割で、韓国や台湾などからも多い。以前にも海外留学経験があり、オーストラリアで働くことが夢だという根来寿子さん(30)は昨年(2013年)末から年始に短期留学。「欧米の半分以下の費用で1対1の授業を受けることができるのにひかれた」と話す。

 アジアに社命留学

 マニラ首都圏のビルに教室を構える「EIENアカデミー」校。「フィリピンでの英語留学は、キャリアアップのためのサービスを提供する新たな段階に入った。それぞれの目的に合ったオーダーメードを重視している」。EIEN(東京)の沢田晃宏企画営業部長はこう解説する。

 実践で使える「ハイレベルな英語」(沢田氏)が売りで、日本の大手企業の中堅・若手社員や、大学講師らの応募が相次いでいるという。

 大手監査法人の30代の男性社員は社命留学でマニラのEIENに1カ月滞在した。「会社がアジアでも活躍できる人材を育成しており、東南アジアのエネルギーを感じながら標準的な英語を身につけることができるのがフィリピンの魅力だ」(共同/SANKEI EXPRESS

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