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コントラストの強い個性的な作品 「ポーラ ミュージアム アネックス展2014-光輝と陰影-」

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コントラストの強い個性的な作品 「ポーラ ミュージアム アネックス展2014-光輝と陰影-」

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武居京子「color#1(yellow_and_green)」2008年(ポーラミュージアム提供)  【アートクルーズ】

 若手アーティストの育成を目的にしている「ポーラ ミュージアム アネックス展」(監修・木島俊介氏)が、今年も3月14日から開催される。これまでは開花時期に色彩豊かな作品を公開してきたが、今回のテーマは「光輝と陰影」。海外在住の4人が、コントラストの強い、個性的な作品を出品している。

 若手4氏が成果発表

 ポーラ美術振興財団は1996年から、毎年18人程度の若手芸術家(35歳以下)を選んで、これまでに計274人を助成してきた。アネックス展は、助成された作家たちが成長や成果を発表できる場として、2010年から始まり、今年で5回目となる。

 今回、応募約190人の中から選ばれたのは、武居京子、米倉大五郎、大成哲、柏原由佳の4氏。1人4、5点で計約20点が出品される。

 武居氏は油彩やクレヨンなどを使い、あふれる色彩がはじけ、ぶつかり合うような画面構成。柏原氏はテンペラなどにより独特な色づかいで風景などを描く。対照的なのは米倉、大成両氏。米倉氏は顔料や塗料のアクリルエマルジョンで、黒い背景のなかに立体感のある物体を浮かび上がらせ、大成氏はガラスなどを使って、暗闇の中に独特な空間を描き出してみせる。

 ポーラミュージアム アネックスの松本美貴子ディレクターによると、現代アートは年々、多様化が進み、鑑賞者に特殊な空間を体験させるようなインスタレーションや、映像を利用した作品も多く、難解さも増しているようにみえるという。

 そういうこともあって、財団の助成金を受けさせる審査の基準は最近、平面を利用した、比較的分かりやすい表現へ回帰しているという。

 今回のアネックス展の見どころについて、松本ディレクターは「出品している4人の作家は、基礎もしっかりし、自分のスタイルやテーマを持って、地道に努力している人たち。そこを鑑賞していただければ」と話している。(原圭介/SANKEI EXPRESS

 ■武居京子 1967年、長野県生まれ、47歳。99年、スクールオブビジュアルアーツ美術大学写真学科(ニューヨーク)。2008年、ナショナルアカデミーオブファインアーツ卒業。ニューヨーク在住。

 ■米倉大五郎 1975年、広島県生まれ、38歳。2006年、広島市立大学芸術学研究科博士後期課程終了。09年、ベルリン芸術大絵画科聴講生。ベルリン在住。

 ■大成哲 1980年、東京都生まれ、33歳。2004年、日大芸術学部美術学科彫刻コース卒業。05年、チェコ共和国政府奨学金国費留学。08年、東京芸大大学院美術研究科修士課程修了。チェコ在住。

 ■柏原由佳 1980年、広島県生まれ、33歳。2006年、武蔵野美大日本画学科卒業。12年、ライプチヒ視覚芸術アカデミー修士課程修了。13年、武蔵野美大非常勤講師。ベルリン在住。

 【ガイド】

 「ポーラ ミュージアム アネックス展2014-光輝と陰影-」は3月14日~4月6日まで、ポーラ ミュージアム アネックス(中央区銀座1の7の7、ポーラ銀座ビル3階)。午前11時~午後8時(入場は閉館30分前)。会期中無休。入場無料。(電)03・5777・8600。

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