今回は、作り置きができる常備菜３品です。いずれもパーティーメニューの前菜としてもお薦めです。

　アヒージョはスペイン語で「にんにく風味」を表す言葉。にんにくとオリーブ油で煮込んだスペインの小皿料理（タパス）で、砂肝やエビ、タコ、牡蠣、タラ、きのこ類などいろいろな食材で作られます。作り方のポイントは、油を高温にしないこと。揚げるのではなく、煮るので、もしごく弱火にするのが難しいようなら、鍋の下に焼き網を入れて、火のあたりを加減しましょう。また、鍋底は厚手のものを選びましょう。オリーブ油から出ないように気を付ければ、冷蔵庫で１週間くらい日持ちします。

　カリフラワーとじゃがいものクミン風味炒めは、クミンが決め手。カレー粉にも使われる香辛料で、カレーの風味と辛味を持ちます。もしなければ、カレー粉で代用してもＯＫです。カリフラワーは冬が旬。ビタミンＣや食物繊維が豊富です。カリフラワー３房（６０グラム）で１日に必要なビタミンＣの半分が補えるほど。硬めに茹でて冷蔵保存しておけば、サラダやスープに入れたり、重宝します。

　キャロットラぺはフランスの家庭料理。にんじんをチーズおろしですりおろし、ドレッシングで和えたもの。にんじんはカロテン豊富な緑黄色野菜。カロテンは体内で必要に応じてビタミンＡに変わり、のどや鼻、消化器などの粘膜を健康に保ったり、肌に潤いを与える役割があります。風邪や乾燥が気になる冬には欠かせません。

　クリスマスや忘年会、新年会などパーティーシーズンにぜひ、お試しください。（文：管理栄養士　牧野直子／撮影：今泉有美子／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　■まきの・なおこ　料理家、管理栄養士、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食」代表。１９６８年、東京生まれ。女子栄養大学卒。おいしくてからだに優しく、元気になるレシピ、健康的なダイエット方法まで提案し、幅広く活躍中。著書も多数で、近刊は「適塩・低カロリー　ひと目でわかる料理手習い帳」（池田書店）、「１００歳までボケない常備菜で１０分レシピ」（家の光協会）。

　≪砂肝のオイル煮（アヒージョ）≫

　※２４４ｋｃａｌ、塩分０．４グラム（１人分）

　【材料】（作りやすい分量６～８人分）

砂肝　　　　３００グラム

塩　　　　　小さじ１／２

ドライハーブ（タイム、オレガノ、バジルなど）　小さじ１／２

にんにくのみじん切り　１かけ分

赤唐辛子　　１本（斜め半分に切って種をとる）

オリーブ油　約１カップ

　【作り方】

〔１〕砂肝に塩をなじませ３０分ほどおいて、水気をふく。

〔２〕鍋に〔１〕、ドライハーブ、にんにく、オリーブ油、赤唐辛子を入れ、ごく弱火でふつふつする状態で１５分煮て、火からおろす。

　【ワンポイント】

☆残ったオイルは再度、アヒージョを作るときに使える。

☆にんにくやハーブの香りが移っているので、ドレッシングにも使える。

　≪カリフラワーとじゃがいもの　クミン風味炒め≫

　※２９ｋｃａｌ、塩分０．３グラム（１人分）

　【材料】（作りやすい分量６人分）

カリフラワー　　１５０グラム（小房に分け、ラップでつつみレンジで１分加熱し蒸らす）

じゃがいも　　　１／２個（薄いいちょう切りにする）

オリーブ油　　　小さじ２

クミンシード　　小さじ１／２

塩、こしょう　　各少々

　【作り方】

〔１〕オリーブ油、クミンをフライパンに入れ、弱火で香りが立つまで炒める。じゃがいもを加え透き通ってきたらカリフラワーを加え、油がなじんだら、塩をふり、少量の水を入れて蓋をして蒸し煮する。

〔２〕火が通ったら、蓋をとって水気を飛ばし、塩、こしょうで味を整える。

　≪キャロットラペ≫

　※７９ｋｃａｌ、塩分０．５グラム（１人分）

　【材料】（作りやすい分量６人分）

にんじん　　２５０グラム（太めの千切り）

砂糖　　　　大さじ１

レーズン　　２０グラム（ぬるま湯につける）

クルミ　　　２５グラム（乾煎りして刻む）

［調味液］

　レモン汁　　　　　大さじ１／２

　白ワインビネガー　大さじ１

　塩　　　　　　　　小さじ１／２

　オリーブ油　　　　大さじ１

　【作り方】

〔１〕にんじんに砂糖をなじませ、水気が出たら軽く絞る。

〔２〕「調味液」の材料をよく混ぜ、〔１〕とレーズン、クルミを加え混ぜる。

　【ワンポイント】

☆調味液にカレー粉を少し加えてもよい。

☆クルミは松の実でもよい。