ニュースカテゴリ:EX CONTENTSトレンド
「ワールド・カフェ」対話集会開催(上) 学生×社会人 本音ぶつけてギャップ埋める
更新
「社会人の本音を聞き出したい。学生の本音を社会人にぶつけてみたい」。社会へと出ていくことに漠然とした不安を抱えている学生たちにとって、社会人と接する機会は実は少ないという。建前の就職活動などではなく、本音で話せる機会を設けたいと、有志学生記者たちがリラックスした雰囲気の中で自由に討論する「ワールド・カフェ」と呼ばれる対話集会を開催した。
□学生集団「Stay Active」 有志学生記者
「学生と社会人の一番の違いは何だろう」。そう問われたとき、多くの学生は、「仕事をしている」「社会的な立場にある」といった漠然とした答えしか思い浮かばない。この曖昧さこそが、実際に社会で活躍している人たちと話をしたり、交流したりする機会に乏しい学生と、社会人の間の“ギャップ”ではないだろうか。一方で、社会人の側も、採用活動やその後の新人教育の中で、「今の学生は何を考えているのか理解できない」と、“ギャップ”に苦労しているという話も聞く。
学生は社会人との交流がないために、「社会人とは何なのか」という根本的な問題を解決できないまま、就職活動を始める。その結果、たとえ就職ができたとしても、社会人になってから理想と現実の“ギャップ”に苦しむことになる。
インターンシップを通じて知り合った6人で結成した学生集団「Stay Active(ステイ・アクティブ)」は、こうした“ギャップ”を埋めるため、社会人と学生が腹を割って本音をぶつけ合う対話集会を企画した。建前ではなく、本音で話せるようにするため、「ワールド・カフェ」という手法を採用した。
(2013(平成25)年)7月14日、都内某所に計約30人の学生と社会人が集まった。ワールド・カフェでは、4人のグループに分れて、テーブルごとに自由に意見を出し合い、それを模造紙に書き出していく。
話し合いの時間は20~30分。4人という少人数の方が話がしやすく、「話す時間」と「聞く時間」のバランスもちょうどよいため、参加者全員が意見を出すことができる。全体の人数が増えても、テーブルの数を増やせば、いいだけだ。
テーブルのメンバーを入れ替えて、3ラウンドの話し合いを行う。ラウンドごとにメンバーをシャッフルすることで、そのテーブルに置かれた模造紙には、たくさんの意見が集まる。参加してみると、短時間に全員と密度の濃い話し合いをしたかのような実感を得られる。
参加者それぞれの経験や意見を共有し、連帯感やつながりも生まれてくる。シャッフルを繰り返せば繰り返すほど、こうした効果は高まる。その結果、より多くの“気づき”を得られるのが、ワールド・カフェの最大の魅力だ。(今週のリポター:学生集団「Stay Active」 有志学生記者/SANKEI EXPRESS)
1990年代に米カリフォルニア州でアニータ・ブラウン氏とデイビッド・アイザックス氏によって提唱された。その方法論は世界に広く知られるようになり、ビジネスや市民活動、教育現場などさまざまな分野で活用されている。
獨協大学2年・荻野真里(リーダー)、武蔵大学2年・石指里菜、アモイ大学4年・王鵬飛、大東文化大学3年・川瀬智広、獨協大学4年・高澤穂隆、獨協大学3年・高林真人