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全日空やスタバ、人材投資で差別化 競争力強化、勝ち残りの切り札に

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全日空やスタバ、人材投資で差別化 競争力強化、勝ち残りの切り札に

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 契約社員はチームのまとめ役にあたるチーフパーサーへの昇格や、事情に応じて選べる短日数勤務の適用もなく「下積み期間」と位置づけられてきた。正社員に認められる、配偶者の転勤に伴う休職制度も対象外。コスト削減を目的に1995年に導入された制度だ。

 亀山さんは日々の仕事で「チーム全員が正社員となり当事者意識が高まった」という。

 全日空が約20年ぶりに制度改定に踏み切った理由は「優秀な人材の確保と早期戦力化による質の向上」と、ANA人財大学の西島克博人事部リーダーは言う。格安航空や外資参入などで競争が激化する中、「サービス差別化は人材。待遇改善は勝ち残っていくための未来への投資」と、戦略を切り替えた。

 全日空の就職内定者の中には、入り口が非正規ということで別の航空会社や業界を選ぶ動きもあった。徹底した新人教育は有名だが、「やっと一人前になった途端に他社に流れてしまうケースも問題視されていた」と、関係者は明かす。3年の契約期間終了後、客室乗務員の1割近くが離職していた。

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