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ベア焦点の春闘 中小労組「要求は今しかない」

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

ベア焦点の春闘 中小労組「要求は今しかない」

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 賃金を底上げするベースアップ(ベア)が焦点となっている今春闘では、中小企業の労組にもベアを要求する動きが広がる。中小の労働組合が多数加盟する産業別労組「JAM(ものづくり産業労働組合)」は今春闘で4500円のベアを要求する方針。五味哲哉総務・企画グループ長は、景気が回復傾向にある中、「ここで要求しなければ、今後要求できる場面がないかもしれない」と交渉に意欲を示す。

 日本政策金融公庫によると、2013年10~12月期の中小企業の業況判断DI(指数)は14.8。1991年1~3月期以来の水準で、14年1~3月期はさらに上昇する可能性が高い。業種により差はあるが、中小企業にもじわりと景気回復の波が来ていることは事実だ。

 こうした状況を受け、中小企業経営者の間に、ベアに向き合う姿勢が出ている。佐賀県に本社を構える中堅工務店の社長は「従業員の士気を高めるためにぜひとも実現したい」と語る。また、塗料販売会社(東京都大田区)の経営者は「真剣に考えなければならない空気が醸成されつつある」と指摘する。

 ただ、東京中小企業家同友会の藤田明男代表理事は「消費税増税後の動向が見えにくく、設備投資が進まない。資材、人件費の上昇も利益の圧迫要因になっている」と多くの経営者の声を代弁する。本格化する交渉は非常に厳しいものとなりそうだ。

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