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携帯、普及率100%の争奪戦、激化 契約数公表「月次」→「四半期」変更も
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電気通信事業者協会(TCA)は7日、これまで月次で公表していた携帯電話事業者別契約数について、4月以降は四半期ごとに公表すると正式発表した。市場が成熟期に入ったことや過当競争を招いていることから、ソフトバンクモバイルの要望にNTTドコモやKDDIが乗ったためだ。だが、これで携帯電話市場の競争がなくなるわけではない。3月末の契約数は1億3955万件を超え、普及率100%の国内市場で顧客争奪戦はますます激しくなる恐れがある。
携帯電話の月次契約数は平成8年1月に公表を開始した。23年12月にイー・アクセスが公表をやめ、その後は大手3社だけが発表していた。4月からは携帯電話各社が決算会見時に四半期ベースの契約数を公表する。TCAはその後に各社の契約数を集計し、ホームページで公表するが、変化の激しい携帯電話市場で情報開示の姿勢が後退したことは否めない。
ソフトバンクが月次契約数の公表中止を強く要望したのは、大手3社が米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」販売で横並びとなり「純増トップを維持するコストが過大になってきたため」(MM総研)とみられる。ドコモやKDDIも似た事情を抱える。ただ、スマートフォンの販売が鈍化するなか、販促費を削る我慢比べはそう長くは続かないかもしれない。
携帯電話大手3社が発表した26年3月期の携帯電話契約数は、新規契約から解約を引いた純増数で、ソフトバンクモバイルが344万5500件と4年連続で首位だった。2位はKDDI、3位はNTTドコモだった。
ただ、上位2社が前期より減少したのに対し、ドコモは2けた増となった。ドコモが25年9月にアイフォーンを発売し3社が横並びになったことで、端末販売台数が平準化したためとみられる。