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携帯できる超音波診断装置 富士フイルム、医療機器市場食い込み

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携帯できる超音波診断装置 富士フイルム、医療機器市場食い込み

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富士フイルムが発売する携帯型超音波画像診断装置の新製品「FC1」=2日、東京都港区  富士フイルムは2日、小型・軽量化を図りながら、高画質な診断結果を出せる携帯型超音波画像診断装置「FUJIFILM FC1」を5月12日に発売すると発表した。バッテリー式で手軽に持ち運べるため、訪問診断などさまざまな用途で活用できるという。

 今回の診断装置は、2012年に米ソノサイトを買収して誕生した富士フイルムソノサイトが商品化した初の製品。画像技術に強みを持つ富士フイルムと装置の小型化技術を得意とするソノサイトの最新技術を融合した。

 同製品は複雑な操作なしで診断部位を鮮明に観察でき、超音波装置の専門家でなくても使用できるようにした。落下や振動などに対する耐久性も持たせ、持ち運び時の安心感を高めた。

 子会社の富士フイルムメディカルが販売。標準価格は1171万3000円(税別)で、初年度は500台の国内販売を目指す。

 携帯型の超音波画像診断装置市場は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が3割近いシェアでトップ。富士フイルムソノサイトは2位だが、富士フイルムの後藤禎一メディカルシステム事業部長は「矢継ぎ早に新製品を投入し、今後3年以内にシェアトップを目指す」と意気込みを示した。

 超音波式画像診断装置の世界市場規模は、12年時点で約5800億円。据え置き型がほとんどで、携帯型は1000億円程度にとどまるが、年6%の伸びと堅調で「今後は携帯型が主戦場になる」(富士フイルム)見込み。

 医療機器市場は、GEや独シーメンスなど海外勢が強いが、将来性の高さから国内家電メーカーなどの参入が増えており、国内勢がどこまで食い込めるか注目される。

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