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ドコモ「ツートップ」戦略で明暗クッキリ パナなど下位4社の不振際立つ
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ドコモのスマートフォン夏モデル=東京都中央区
NTTドコモが今夏モデルから導入したスマートフォン(高機能携帯電話)に価格差をつける「ツートップ戦略」で、主力2機種とそれ以外の機種の販売台数に極端な差が開いたことが3日、分かった。
6月末の販売台数は主力2機種が合計123万台に達する一方で、パナソニックやNECのスマホは1万~1万5000台と不振が際立った。
ツートップ戦略のあおりを食った格好で、パナソニックがドコモへの製品供給停止を検討するなどスマホメーカーの事業に大きな影響を及ぼし始めた。
ドコモの加藤薫社長はフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、同社が主力2機種に位置づけたソニーの「エクスペリアA(エース)」とサムスン電子の「ギャラクシーS4」の6月末の販売台数がそれぞれ83万台、40万台に達したことを明らかにした。
2機種以外では、シャープの「アクオス」と富士通の「アローズ」がそれぞれ7万台、パナソニックの「エルーガ」は1万5000台、NECの「メディアス」も1万台前後と低迷。主力機種とそれ以外で明暗がくっきり分かれた。
ドコモは主力2機種について販売店向けの販売報奨金を積み増し、販売価格をエクスペリアが5000円、ギャラクシーが1万5000円に抑えた。
他の機種は3万5000円前後で売られ、この価格差が販売台数の大きな格差につながった。
下位4社のスマホは在庫がかさんでいる一方で、最も売れているエクスペリアは「100万台はゆうに超える」(加藤社長)見通しで、同社は販売目標を200万台に設定したもようだ。
ドコモは主力機種を季節の商戦ごとに選定する方針で、10月の秋冬モデル発表会では別のスマホが新たなツートップとなる可能性もある。
しかし、海外に大きな市場を持たない国内スマホメーカーにとって、ドコモの販売台数の極端な落ち込みは事業存続を左右しかねない状況となっており、海外メーカーによる本格攻勢も予想される。