始まる「IR神経戦」 国を動かす巨額資金、投資規模はスカイツリー46本分! (1/4ページ)

米ニュージャージー州のカジノでゲームを楽しむ客。世界中で新たなIR施設がオープンしている(AP )
米ニュージャージー州のカジノでゲームを楽しむ客。世界中で新たなIR施設がオープンしている(AP )【拡大】

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法が7月20日に成立した。2020年代半ばにも国内で最大3カ所のIRが開業し、民間によるギャンブル運営を認める規制緩和がスタートする。IRをうまく使えば、経済的部分では効果は絶大。だが、それには民間事業者から巨額の出資を引き出す必要がある。国や自治体の金を使わず、国家プロジェクト級のインフラ整備を民間の力だけでやり遂げさせようとしているためだ。IRはこれまでと次元の異なる事業であり、それゆえの難しさがある。

 最低でも6600億円

 世界のIRをみると、建設には驚くほどの多額の資金が投じられている。

 例えば、2010年に開業したシンガポールのIR「マリーナベイサンズ」には、約60億ドル(6680億円)がかけられた。

 カジノに加え、国際会議場や大規模展示場、ショッピングモールなどを備え、日本のIR誘致関係者がお手本と位置付ける施設だ。

 今年6月には、米朝首脳会談のためシンガポール入りした北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が訪問し、世界の注目を集めた場でもある。

 日本のIRに対して、今のところ、IR事業者はシンガポールをしのぐ投資に意欲的だ。

 「最低でもシンガポールの60億ドル。(日本では)100億ドルに達するかもしれない」

「究極的なビジネス機会」