このほか医療に関し、「QOL(Quality of Life=生活の質)の観点を含めた高齢のがん患者に適した治療法などを確立する研究を進める」と書き込んだ。高齢者にとって抗がん剤治療は吐き気などの副作用でQOLを低下させる可能性があり、手術をする場合も一定の体力が必要となる。こうしたことを踏まえて記した。
数値目標では、健康上の問題がない状態で日常生活を送られる期間を指す「健康寿命」について、25年時点で男性71・19歳、女性74・21歳だったのを32年に1歳以上、37年に2歳以上延ばすことも盛り込んだ。
介護職員数は27年度183・1万人だったのを32年度以降に231万人に増やす目標も掲げた。研究開発では、ロボット介護機器の市場規模を27年が24・7億円だったのを32年には500億円に拡大させる方針を明記した。
高齢社会大綱は原則5年ごとに見直しており、24年度の前回は11年ぶりに改訂した。