受動喫煙防止、悲鳴あげる“弱者” 都の条例指針が波紋、融通きかぬ線引き (2/2ページ)

小規模飲食店などからは、規制の傍らで喫煙所の整備を求める声もある
小規模飲食店などからは、規制の傍らで喫煙所の整備を求める声もある【拡大】

 “弱者”の救済策は

 東京都飲食業生活衛生同業組合常務理事事務局長の宇津野知之氏は、組合員の問い合わせを前に頭を抱えている。

 宇津野氏によれば、飲食店にもさまざまあるが、禁煙が難しい業態も少なくないという。だが都の考え方は一律で、一部の業態では特定の規模の店舗が大きな打撃を受けることになるかもしれないと危惧している。

 「組合としても、受動喫煙防止に異論はない。しかし、30平方メートルという基準や業態による事情を考慮していない点については熟慮をお願いしたいところだ」(宇津野氏)という。家族で小規模な店舗を経営するケースなど業態によっては大きな変革を迫られることになる。喫煙室の整備のための支援制度も用意されているが、使い勝手がよくないうえ、店の大きさ次第ではそもそも設置できないのが実情だ。

 「日本では海外と違って屋外も禁煙。市中にもう少し多くの喫煙所が整備されない限り、喫煙者を顧客に持つ小規模飲食店は立ち行かない」(同)

 規制でゆれる“弱者”を救済する方策はあるのか。都議会での丁寧な議論、納得のいく基準作りが求められている。