【ビジネスのつぼ】JT加熱式たばこで「10年戦争」幕開け 先行「iQOS」とまったく異なるコンセプトとは (1/4ページ)

加熱式たばこ「プルームテック」。本体(手前右)からの電気でカートリッジ(中)内の液体を加熱、たばこカプセル(左)を通った蒸気を吸う仕組みだ
加熱式たばこ「プルームテック」。本体(手前右)からの電気でカートリッジ(中)内の液体を加熱、たばこカプセル(左)を通った蒸気を吸う仕組みだ【拡大】

  • 「ケースやスタンドなどのアイテムも増やしていく」とプルームテックの展開を説明するマーケティング担当の岩崎さん
  • 東京・銀座の商業施設「GINZASIX」には、JTがコンサルティングした喫煙所が9カ所ある
  • 東京・銀座の専門店に並ぶ加熱式たばこ「プルーム・テック」=28日

 ■加熱式たばこファン拡大へ クリーンさと風味両立

 燃焼に伴う煙やタールがゼロで、においも少ないとして愛煙家の注目を集めている加熱式たばこ。米フィリップ・モリスインターナショナルの「iQOS(アイコス)」が国内市場を席巻する中、日本たばこ産業(JT)は「ploom TECH(プルームテック)」で追い上げている。クリーンさと風味を両立させ、紙巻きたばこからの乗り換えを競う「10年戦争」(JTの小泉光臣社長)の幕開けだ。

 においと利便性で差別化

 「他社製品とコンセプトがまったく異なる。いわば『水出しコーヒー』のイメージです」。たばこ事業本部のマーケティング担当、岩崎譲二さんはプルームテックの技術に胸を張る。

 アイコスや英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「glo(グロー)」は、いずれも専用たばこを筒状のホルダーに差し込み、燃やす代わりに電気で加熱して、ニコチンを含んだ蒸気を吸う仕組みを採用した。

 一方、プルームテックは電気を使う点こそ同じだが、加熱するのは専用リキッド。水や食品添加物に使うグリコールなどを混合している。その蒸気が、粉砕たばこ葉の詰まったカプセルを通り、ニコチンを揮発させるという「間接加熱」の発想だ。

 開発陣がヒントにしたのは、植物の芳香成分が凝縮されたエッセンシャルオイル(精油)を抽出する際に用いる「水蒸気蒸留」の手法だ。カプセルを通る蒸気の温度は約30度と低く、においを減らす上で直接加熱より有利に働く。

競合2製品と大きく異なり「一服ずつ吸うことが可能」

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